鈍感力の破壊王「美しい彼 シーズン2」第1話

投稿日:2023年2月19日

このドラマのひとつの見どころとして、平良(萩原利久)の現状認識が、コンプレックスというフィルターでいびつになっていることがあげられる。 人間関係が苦手な平良はスクールカーストで自分を最下層と認識、清居(八木勇征)が美し王として君臨し、自分は取るに足らない下僕、という図でのみ周囲の事象を分析する。 そのため、自分は他人からは軽んじられるもの、という想定の中で生きていて、誰かから愛情を受けるという状況を想定しておらず、清居からの愛情に著しい鈍感力を発揮する。

シーズン1で清居がつぶやいていた(「ある意味、平良こそ自分勝手な王様だ、しかもそれに気付いていない。」)ように、平良はその分厚いコンプレックスフィルターから覗いた世界を『逆・唯我独尊』的に生きている。

片や『美し王』清居は、愛情に飢えた部分はあるものの、フィルターは薄く、人間関係が得意な方だ。 愛情表現もツンデレをここまで極めた人は見たことないくらいの上級者だ。 (そこがこのドラマの”萌えポイント”) さっきまで「平良のくせに調子乗んな!」とか言い放っていた清居が、膝枕してもらって「何処へも行くな」と言いながらガバと膝に抱き着く、なんて事をされてみなさいああた、鈍感力もさすがに追いつかないってばさ。

そんな二人なので、清居が何度も連発する『ア~ン♡』の要求は、2回に1度はスルーされてしまうのだった。 (それが言いたかっただけ。)

公開2023年
原作凪良ゆう『美しい彼』
監督酒井麻衣
脚本坪田文