投稿日:2023年7月19日
このところ、契約で架空の婚姻関係を演じる系のストーリーが散見されるが、中でも本作はうまいところをついている、ツボを心得ていて、頭一つ抜きん出ている。
そのうまいところのほぼ85%を菊池風磨(夏目匠役)が担っており、見事に役目を果たしている。
少女漫画のゴールデンルールの一つとして、どちらかが相手にぞっこん(古い?)、いや、骨抜き(もっと古い?)、とにかくメロメロだという条件があげられる。 それを相手に悟られずにどう恋愛成就に持ち込むか、という命題の前に、人は無様に失敗し、落ち込み、立ち上がり、とにかく右往左往するのである(「とにかく」乱用)。
本作2話ではその心の葛藤を菊池風磨が完璧に演じている。 往年の生田斗真(「花ざかりの君たちへ」参照)を彷彿とさせる妄想癖と一人芝居、顔芸。 あっぱれ!洗濯大名!
余談になるが、Margaritaという人の動画で、『男性は、タスクを与えられると燃えるもの、そして、競争で燃えるもの』みたいなことを話していたが、匠はこの2つ(八重:長濱ねるをお姫様のように扱うというタスクと、健斗:黒羽麻璃央との八重をめぐる競争)を与えられてMargarita式セオリー通り燃えた状態である。 ただし、お姫様扱いするというタスクについては、自分で作り上げてしまった俺様キャラが障害になりそうで、その辺も今後の展開に期待。
公開 | 2023年 |
原作コミック | 時名きうい「ウソ婚」 |
監督 | 山口健人・木村真人 |
脚本 | 蛭田直美 |