バブル期の呪縛「くすぶり女とすん止め女」

投稿日:2023年12月10日

身近にありそうな現実を少しデフォルメしたプロットに、とことんリアルなセリフ。
ありそうでなさそうで、いやあるかな、などと思いながら楽しめる。

郁子(西田尚美)は多分昭和バブル期の中若い頃を過ごし、女性は25歳を過ぎるとクリスマスケーキの売れ残りになるので結婚を急ぐべし、結婚後は専業主婦となるのが幸せ、といった一般論を実践してきた女性だろう。バブルの魔法が解けて気付くと時代は既に令和。夫のモラハラ諸々を我慢している場合じゃないじゃん、と立ち上がる。

不条理な状況に置かれた時、人は我慢をする以外にも、その現実に三行半を下すという選択肢もありますよ、という応援メッセージと共に、ただ一筋縄ではいかないけどね、と言われたみたいな。
それにしても笑いは救いだ、と。(本人マジメに人生とっ散らかっててもずっとバブル期の真っ青なアイシャドーと前髪裏返しになっている郁子のビジュアルが常に視聴者の心をほっこりさせる)

好きだな、テレ東ドラマ。

公開2023年
原作ふちいく子「くすぶり女のシンデレラストーリー」
監督太田勇、畑中みゆき
脚本川原杏奈、我人祥太、太田勇