投稿日:2023年6月28日
トレイラーを観て、比較的ポップな内容を想像してAMAZONプライムで視聴、結果玉砕した。年とともに涙もろくなったとはいえ、これほど最初から最後まで泣き続けた映画は珍しい。
主人公トモヨ(永野芽郁)が幼い頃から仲の良かったマリコ(奈緒)は、幼少期から10代まで父親から壮絶な虐待を受け、その後付き合った彼氏からもDVを受け、心が壊れてしまった。 トモヨが自分から離れたら自分は死ぬ、と脅したくせに、トモヨを置いて独りで死んでしまう。 マリコの骨を父親のもとから奪回したトモヨがマリコのために今何ができるのか。
唯一の救いは、トモヨがマリコへ謝らないことだ。 トモヨは自分に何も告げずに死んでしまったマリコへの怒りを口にする。 このような状況で日本人にありがちなのは、何もしてあげられなくてごめんね、と自分を責めてしまうことだが、そういったシーンが無いのは有難い。 自分が悪くなくても自分を責めてしまうのは陥りがちな不健康なトラップだ。 自身も複雑な環境で育ってきたトモヨは自分の守り方を覚えることができていた。
そしてエンディングのシーンでのみ、視聴者はようやくこの映画のやるせない悲しみを一旦、置くことができるのだ。
永野芽郁ちゃん、ここ数年で私の一押し女優。 可愛いいけどアクション色強めの作品多数。
原作 | 平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』 |
公開 | 2023年 |
監督・脚本 | タナダユキ |
脚本 | 向井康介 |