細部にわたる演出の妙 「Silent」第2話

前髪大事

投稿日:2022年10月20日

主題歌だけじゃなくキャスティングも、あの篠原涼子がメインではないお母さん役で出るあたり、ただごとではないと思ってたが、演出の素晴らしさにさらに感服。(帝一の國や30歳まで童貞だと…の風間太樹さんという方だそう)

場所は2人が久しぶりに会う公園。想(目黒蓮)が紬を待っていると、入口に現れた紬(川口春奈)はちょっと立ち止まって前髪を直す。(うん、前髪大事だね〜ベストコンディションで会いたいね〜)それを見た想は、気を遣ってあえて紬に気付いていないふりをする。 紬に声をかけられて初めて振り向いたふりをする。(く〜っ、優しさ!)
公園で別れる時。紬はまた会える、と思っているが想はこれで最後だと自分にいい聞かせながら明るく別れようと努める。後ろを向けた瞬間に泣きそうになるが、すぐに顔を直して一度振り向いて手を振り、もう一度背中を向けると泣いてしまう。 実にリアルなディテールがこのドラマの品質を爆上げしている。
『神は細部に宿る』

実は病気の話はあまり好きではなくて、むしろ避けていた(だって悲しいの決まってるじゃん?絶対悲しいのに予定調和みたいに泣かされるの嫌じゃん?)が、これはみてしまう。 それは、運命にざーっと流されてしまうはかない人生ではなく、何度も訪れる岐路でそれぞれが沢山の選択肢からベストと考える道を選び、それでも時に振り返り、時にやり直したりしながら生きる登場人物たちの描写が見事だからかもしれない。